2019年1月25日 発行 139号
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2019年 2月号
「春を迎えて」
2019年の干支「亥 」は、市場の相場格言で「亥固まる」と呼ばれ、「良い流れが固まって、株価が底堅く推移する年」とされています。
世界経済の先行き懸念を背景に大発会の4日の株価は急落して始まりましたが、格言通りの底堅さを発揮できるのか。日本経済にとっても正念場の年となりそうです。
昨年の相場は、カネ余りの波が引き始めるとともに政治リスクの大岩が眼前に迫った1年だったように思います。
今年も政治イベントが目白押しです。英国のEU離脱協定の行方、米国の対中追加関税の行きつく先、国内では参議院選挙、消費税引き上げ問題等々です。
政治を巡る不確実性が相場格言に言う「亥固まる」という良好な相場を実現出来るのか細心の注意で見守っていく必要があります。引き続きお互いに研鑽を積んで参りましょう。
イカスでは投資クラブ、投資勉強会の他、企業見学会、シネマ倶楽部、カラオケ倶楽部、ゴルフ倶楽部など、幅広いコミュニティーの組成にも力を注いでおります。どうどご参加くださるようお待ちしております。
✤ 目 次
- 鎌田留吉レポート パウエルプットに反対する
- 株式相場展望 株式相場の展望
- 株式投資力クイズ問題 株式投資力クイズ問題
- イカスからのお知らせ イカスからのお知らせ
1. 鎌田留吉レポート
パウエルプットに反対する
千葉の県人 鎌田 留吉
トランプ大統領を始めとした「利上げ反対!」の大合唱をものともせず、昨年末12月19日にFRBは利上げに踏み切った。それ以来パウエルFRB議長の発言にマーケットは一喜一憂している。
- 利上げ時の現状認識は、雇用も経済も力強いとし、19年に2回の利上げを見込んでいた。利上げ以外のもう一つの引き締めであるFRBのバランスシートの縮小については、市場への影響はなく、縮小方針に変更はないとした。この市場に対するタカ派的発言を受け、NYダウは4日間連続して下げ、合計で1883ドルも暴落した。
- 年明けの1月4日には一転して、バランスシート縮小方針を見直す可能性に言及した。このハト派的発言を受けてNYダウは5日間連騰し合計で1315ドル上昇した。このパウエル議長の発言については、市場の要求に屈したととらえる向きもある。しかし私は思いの外、彼は「狸」であり腹の中は完璧なタカ派だろうと思っている。
- というのは1月10日の発言でバランスシートは「かなり小さくなるだろう」と指摘しているからだ。
- また、1月11日に公表されたFRBの議事録によれば、パウエル氏は2013年4月末の時点でQE(量的緩和)プログラムの縮小を6月にも実施すべきだと主張しているからである。彼の「発言」の「真意」はこれからの彼の「行動」で明らかになるであろう。
金融緩和から金融引き締めに転ずると、株式や不動産等の資産価格は下落し始め、市場参加者の悲鳴と怨嗟の声が響き渡る。彼らは金融緩和で大儲けしてきた筈でいつか逆のスパイラルが訪れることは当然知っていた。そして中央銀行の役目が、「皆が踊り続けているパーテイ真っ盛りの最中に、食器を片付け始めることだ」ということも重々承知していたはずだ。市場参加者の叫びはある意味で単なる我が儘に過ぎない。
経済は大きく実体経済と市場経済に分かれる。そしてGDPに反映される実体経済を刺激し活性化するために金融緩和政策は実施される。
しかし、実体経済に火が付くのは遅く、先に資産市場が活気つき株価や地価が上がりだすという特質がある。アメリカ経済は資産価値が実体経済に及ぼす影響が大きいという「信仰」を理由にして、引き締め時に本来実体経済の為に行われていた金融政策に市場経済の側から横槍を入れてくることになる。
市場参加者の我が儘にすぎない「叫び声」に負けてFRBが金融引き締めの手を緩め、或いは緩和にまで至る行為を株価下落時に損失を限定できるプットオプションになぞらえてFRBプットと言われるようになった。
しかし、現在のアメリカの状況は、決してFRBプットを行使する段階ではない。12月24日に21790ドルまで下げて2018年10月の高値26828ドルから18.8%の株価暴落で痛手を被ったという市場参加者達は、それが2009年の3月の安値6547ドルから20281ドル上げた分の24.8%の下げであり、底値からまだ75.1%上にあるのだと考えるべきである。今までに十分儲けた筈ではないか?株価は3倍になったが、GDPは1.41倍になったに過ぎない。彼らはFRBが行う金利引き上げとバランスシートの縮小を金融引き締めと呼ぶ。
しかし歴史的にみれば、異常なまでに行われてきた「超々」という形容詞が付く「金融緩和」は、未だ継続中であり、今は金融正常化の過程というのが正しい。FRBは外野の声を無視して粛々と「正常化」に努めるべきである。
2019.1.16 記
2. 株式相場展望
イカス専務理事 望月純夫
昨年12月14日に13週移動平均線が26週移動平均線を下に抜けたことで、当分の間(全治5~6ヵ月)は株価が低迷すると予測しました。
その後一時的に19000円割れを記録し、材料の出尽くし感や割安感から戻り基調を示しています。この戻りは25日移動平均線の21200円程度、良くて75日移動平均線の22100円程度となります。戻り売りで頭が抑えられる状況が続くと思われます。ただ、押し目は深くなく、1月末から2月初めの第3四半期の業績発表を中止する展開に変わり、3月に向けては再度米中貿易戦争の行方に一喜一憂する場面が想定されます。
短期の投資家はテンポ良く売り買いし、中長期の投資家はジックリ押し目狙いの展開で、5月の連休明けからの政治経済動向次第で再度の強気転換も、それでも23000円は厚い壁にと予想されます。
さて映画の話ですが、昨年は一昨年に続き140本の映画を観ました。
11月から12月には音楽映画にはまりました。11月の「ボヘミアン・ラプソディ」、12月の「アーリー・スター誕生」、ドキュメンタリーで「私はマリア・カラス」「ホイットニー・ヒューストン」が目立ったものです。
イギリスは、1960年代から1970年代は文化で外貨を稼いだ時代でした。ビートルズ、ローリングストーンズ、ボヘミアン・ラプソディ(映画)のクイーンと、日本の女性はツィギーにも夢中になりました。スターの座にかけ上がり、その後は酒や薬の溺れ転落・破滅する人生を間に辺りにしました。アーリー(レディ・ガガ)だけは現在も現役で活躍中です。ウェイトレスのかたわら、夜はバーで歌っていたアリーは、高名な歌手ジャクソンの目に留まり、世に出るきっかけを掴む。二人の間には恋も芽生え、二人でステージに立ち、スターの座を手にすることに、その過程でもジャクソンに見せる愛らしさに魅せられました。
映画ってイイですね、素晴らしいですね。
3.株式投資力クイズ問題
1:最初は音楽映画からの出題です。大物歌手は若くして亡くなるケースが多いようです。40代で亡くなった歌手ですが、誤りは誰ですか。
- ホイットニー・ヒューストン
- マリア・カラス
- ジョン・レノン
- エルビス・プレスリー
2:今年の1月から新たな税金がかかることになりました。その記述の中で誤りはどれですか。
- 出国税は日本を出国する際に1人に1000円を課す税金です
- 日本人、外国人を問わず、航空券に上乗せして徴収します。
- 乗り継ぎ客も出国税の対象となります。
- 訪日客は2018年に3000万人を突破しました。
3:外国人労働者に対する法案も決まりました。下記の記述で誤りはどれですか。
- 外国人労働者の受け入れ拡大に向け製造3分野で特定技能1号向けの試験を実施する。
- 受け入れの対象国は、中国、インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、
ネパールの6ヵ国である。
- 特定技能検定は比較的簡単な仕事に就く人が対象である。
- 熟練技能者に認定する「特定2号」の二つの在留資格が新設される。
4:米国の金融政策に関する記述です。下記の記述で誤りはどれですか。
- 2018年12月19日にFRBは、18年に4回目の利上げを実施し、通算9
回目となった。
- この時のFRB議長の最大の示唆は「データ次第」であった。
- 前イエレン議長の時の「データ次第」は「雇用統計とインフレ統計」という暗黙の了解があった。
- 現在のFRB議長の「データ次第」は、経済の総合的判断というトランプ大統領に近い政策である。
5:公的資金を運用する団体についての問題です。
- 団体名は年金積立金管理運用独立行政法人です。
- 通称はGPIFです。
- 運用開始は2001年からです。
- 2018年10~12月期の収益額は14兆円のプラスでした。
お知らせ
2月度のイベント:
- 株式投資塾(昼間編):2月12日(火)16時 ~ イカス事務所
- 株式投資塾(夜間編):2月19日(火)18時半~ イカス事務所
- カラオケ倶楽部 :2月22日(金)18時 ~ 西新橋「倶楽部エル」
- シネマ倶楽部 :2月27日(水)15時 ~ 有楽町近辺&第一ホテル
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発行責任者:林 孝 男
【株式投資力クイズの答え】
1→2(マリア・カラス) 2→3(ネパールは対象外) 3→2(5ヵ国) 4→4(イエレンに近い)
5→4(14兆円のマイナス)