2019年2月25日 発行 140号
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2019年 3月号
「季節は春 ‼」
暦の上では2月4日の立春も過ぎましたが、まだまだ冷え込むこの頃ですが、梅が甘い香りを放ち美しい花を咲かせています。そしてウグイスのホーホケキョウの鳴き声が聞こえ始めると春の始まりです。主役の桜も開花して素晴らしい季節の到来です。
しかしながら、こと、世界の社会政治情勢に目を向けますと重要イベントが目白押し。ハノイでの米朝首脳会談、英のEU離脱問題、米中貿易協議の行方、国内では参議院選挙、消費税引上げ問題など枚挙に暇がありません。事によっては激しい春の嵐が吹くかもしれません。引き続き慎重な投資を継続して参りましょう。
イカスでは投資クラブ、投資勉強会の他、企業見学会、シネマ倶楽部、カラオケ倶楽部、ゴルフ倶楽部など、幅広いコミュニティーの組成にも力を注いでおります。ぜひ多くの方がご参加くださるようお待ちしています。
✤ 目 次
- 鎌田留吉レポート 平成31年 過大な不良債務の後遺症
- 株式相場展望 株式相場の展望
- 株式投資力クイズ問題 株式投資力クイズ問題
- イカスからのお知らせ イカスからのお知らせ
1. 鎌田留吉レポート
平成31年 過大な不良債務の後遺症
千葉の県人 鎌田 留吉
平成の御代があと2ヶ月と少しを残すばかりとなった。
平成とはどのような時代であったか?災害多発の時代ではあったが、「地平らかに天成る」「内平らかに外成る」と願った通り、国内的には戦争のない時代であったとも総括できる。
エコノミスト1月15日号が「平成経済30年史」という特集を組んでいる。その中で吉川洋立正大学教授は、日本経済の30年間を語る上のキーワードを「やはり『バブル』とその崩壊だろう。」と指摘している。そして「戦後の日本経済の歴史の中で、後世まで語り継がれる一大事件だ。」とまで述べている。
バブル崩壊後
- 10年間は不良債権処理問題におわれ
- 98年からデフレーションに陥った。
- 名目賃金が90年代の終わりから下がり始め
- 同時に非正規雇用が増え始めた。
- 自殺者も2万人台だったのが98年から3万人台へと増加した。
- 生産年齢人口の減少をイノベーションによりカバーすべきであるのに、不良資産の処理の後遺症から、現金保有を増やし続け、進取の気性が乏しくなった、とその罪悪を記している。
私も今日の日本の停滞の元凶はバブルの崩壊と不良債権処理の遅れ及びその後遺症であったと思う。GDPが平成31年間の殆どで変わらなかった国など世界中で日本しかない。
前日銀総裁であった白川方明氏が2018年10月に758頁に及ぶ大著「中央銀行」を著している。
白川氏もその中で、「後々まで人々の意識に大きな影を落とす出来事」として「80年代後半に発生したバブル経済とその後のバブル崩壊、金融危機」を上げているのだ。そしてバブル経済から得た教訓として
- バブルのような現象が現に起こりうること、そしていったん起こった場合は、その経済的代償は非常に大きい。
- バブル発生を防ぐために中央銀行は努力しなければならない。甘すぎた規制・監督の影響と長期にわたる金融緩和なしにはあれほどのバブルは発生しなかった、と反省している。
そして「金融緩和政策の修正」の必要性は、それを放置するとやがてインフレが起こるということではなく、問題の本質は「過大な債務の増加」と「過大なリスクテイク」であると今日の目で振り返り、「不良債権の発生が経済を下押すという観点から経済や金融を議論する重要性」を教訓として語っている。
2009年以降世界中で起こった超超金融緩和はアメリカで一時修正の動きをみせた。しかし欧州や日本では、未だに白川氏の教訓が全く生かされていない。
そして2018年現在、世界第2の大国となった中国の民間負債は2008年と比較して世帯部門が767から6,629に企業部門が3,928から22,052に過大化してしまっている(単位10億ドル)。
中国が破綻する、破綻すると、言われ続けてきたが、いよいよ実体経済悪から不良債務の山を築くことになるのか?
2019.2.19 記
2. 株式相場展望
イカス専務理事 望月純夫
2019年1月も早々10本の映画を観ました。流石に1月、2月は良い作品が集中します。
アカデミー賞の授賞式は2月25日です。作品賞には、ブラックパンサー、ブラック・クランズマン、ボヘミアン・ラプソディ、女王陛下のお気に入り、グリーンブック、ROMA(ローマ)、アリー・スター誕生、バイスがノミネートされています。主演女優賞には、『ROMA(ローマ)』のヤリッツア・アパリシオ、『天才作家の妻、40年目の真実』のグレン・クローズ、『女王陛下のお気に入り』のオリビア・コールマン、『アリー・スター誕生』のレディ・ガガがノミネートされています。主演男優賞は、『バイス』のクリスチャン・ベール、『アリー・スター誕生』のブラッドリー・クーパー、『永遠の門・ゴッホが見た未来』のウィレム・デフォー、『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレック、『グリーンブック』のビゴ・モーテンセン』がノミネートされています。下線の作品・スターに注目しています。
株式の世界では、昨年末に大底を付け、1月から2月上旬までは売られ過ぎの戻り相場でした。
NYダウやナスダック市場は下落幅の3分の2程の戻りを記録しました。しかし東京市場は下落幅の半値戻しも達成できない状態です。
米国株戻り相場の局面では、FOMC(米 連邦公開市場委員会)の金利引き上げ停止、英国のEU離脱の期限延長の可能性、米中貿易戦争での和解の可能性、FANG*銘柄の売られ過ぎの反動が理由として挙げられました。
東京市場もマイナス材料は同じですが戻りの力強さは格段に違います。働き方改革での収入減、消費増税による消費減、米金利上昇停止に伴う円高の可能性、アップル・スマホの売上減少による電子部品メーカーの業績下方修正、五輪特需(建設等)の終わり等、別のマイナス要因(アベノミクスの終焉)があるかもしれません。ソフトバンクMの新規上場の不発も個人投資家のポートフォリオを痛めた可能性が十分あります。上値の重い展開が継続です。
(【編集註】*FANG:フェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、グーグル(GOOGLE )の4社を示す造語。2015年頃の米国市場で流行した)
3.株式投資力クイズ問題(答えは最下段にあります)
1:国立高等専門学校の学生の就職先ランキング1位の企業はどこですか?
- 東レ
- サントリー
- JR東海
- ダイキン
2:株価乱高下の要因としてアルゴリズムが挙げられます。下記の中で、間違いはどれですか。
- アルゴリズムとはシステムトレードの名称で、最近普及してきた運用方法の一つです。
- 東京証券取引所の1日の取引量の7割をアルゴリズムが占有してい
る。
- CTA(商品投資顧問)は株式や為替市場で順張りトレードを行い、その規模は約35兆円である。
- 今年は例年よりイベントが少ないので乱高下は限られている。
3:高齢者ドラーバー対策として妥当でないのはどれですか。
- 認知症チェック
- ドライバー監視技術の向上
- コンパクトシティの実現
- 自動運転技術の向上
4:高齢化社会が進んでいる福祉国家の政策として妥当でないのはどれですか。
- 産業構造の転換
- 既存の製品に付加価値を付ける
- 行政の効率化
- 衣料分野の電子化
5:景気の拡大期についての問題です。間違いはどれですか。
- 景気の拡大期は2019年1月で74ヵ月と戦後最長となった。
- 1965~70年のいざなぎ景気の成長率は11.5%だった。
- 1986~91年のバブル景気の成長率は5.3%だった。
- 今回の景気拡大期の成長は3%だった。
お知らせ
3月のイベント:
- 株式投資塾(昼間編):3月12日(火)16時 ~ イカス事務所
- 株式投資塾(夜間編):3月19日(火)18時半~ イカス事務所
- カラオケ倶楽部 :3月22日(金)18時 ~ 西新橋「倶楽部エル」
- シネマ倶楽部 :3月27日(水)15時 ~ 有楽町近辺&第一ホテル
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発行責任者:林 孝 男
【株式投資力クイズの答え】
1→3 JR東海 2→4 今年のイベントは多い(10日連続休暇、消費税増税、英EU離脱、世界経済減速懸念等)3→1 認知症チェック 4→2(新産業の創造)5→4 成長率は1.2%