2019年8月25日 発行146号
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ICAS通信
2019年 9月号

「早や、年度上期末到来!」

早いもので9月は年度上期の締めくくりの月です。この月に咲き始める花々は実にさまざまです。なにか悲しげな「ヒガンバナ」、謙虚で気高い「キンモクセイ」、派手でふくよかな「ダリア」、楚々として可憐な「コスモス」、大小色とりどりの「キク」などなど。秋の気配を感じながらこれら花々を鑑賞できる至福の季節と言えましょう。

さて、投資環境はどうでしょうか? 欧米では、前にも述べましたが「5月に売って相場から離れ、9月になって市場に戻って来ては?」という格言があります。日本のマーケットに直接当てはまる訳ではありませんが、欧米の相場動向を気にする日本の投資家も多いことから9月の動向には注意が必要です。

一方10月には、我国の消費税引上げや米中貿易摩擦の行方などが景気の下押しリスクになるかもしれません。多角的視点と複眼的思考で9月相場のシナリオを考えて見られては如何でしょう。

イカスでは投資クラブの開催、年2回の交流会、企業見学会、シネマ倶楽部、カラオケ倶楽部など、幅広いコミュニティーの組成にも力を注いでおります。 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。(画像は9月の花「シュウメイギク」)

 

目 次

  1. 鎌田留吉レポート    彼我の差は何故生じたのか?
  2. 株式展望と映画サロン  「金融政策に手詰まり感の日本」
    「あなたの名前を呼べたなら」
  3. 株式投資力クイズ問題  株式投資力クイズ問題
    クイズの答え
  4. イカスからのお知らせ  イカスからのお知らせ

1. 鎌田留吉レポート

「彼我の差は何故生じたのか?」

千葉の県人 鎌田 留吉

何年か前イカスの「楽々クラブ」で望月専務理事の代講をつとめたことがあった。その時或る会員の方から「日本では子供の頃からお金に関する知恵を教えていない」という意見が出た。私は当時愛読していた池田晶子氏の言葉として次のことを吐いた。
「商売の仕方や金の儲け方を、早いうちから教えることが子のためだなどと驚くべき勘違いである。世の中のことは、世の中に出てから覚えればよろしい」(41歳からの哲学p59)、「子供のうちには、子供のうちにしかできないことがある」(勝っても負けてもp30)、お金よりも大切なことが沢山あることを先ず教えるべきである、という。

基本的には今もその考えに変わりがないが、ただお金とは先ず貯めて後は「運用するもの」であることをあわせて教えるべきだろうとも考えるようになった。
著名な投資家たちは極めて小さい頃から株式投資に手を染めている。オマハの賢人ウオ―レン・バフェット氏(左=Bloombergより)は11歳の時であったし、世界一の資金量を誇るブリッジ・ウォーターを主催するレイ・ダリオ氏(下=Bloombergより)は12歳のときであったそうだ(ICASの理事をつとめておられる斎藤聖美氏が今年訳された「PRINCIPLES」RAY DALIO著による)。二人は小さい頃からゴルフのキャディや新聞配達のアルバイトで自分のお金を貯めて株式運用を始めた。

日本とアメリカではまた労働観にも違いがあるのではないか。
日本では汗水流して働くことが正しく、机に座って世界情勢を調べ、有価証券報告書を具さに読み込んで稼いだお金にそれほど価値を見出さないのだ。また、日本人にはお金のことを口にするのを「はしたない」と考える風潮もある。

殊に資金「運用」については根本的な差がある。それは「直接金融」と「間接金融」との差によって違っている。前者はリスクを投資家が全て負うのに対し、後者は銀行に丸投げし、運用先を銀行が決め、リスクを銀行が負う。
戦後、政策的理由から日本は預貯金中心の「間接金融」一辺倒になり、「直接金融」が等閑にされてきた。従って、長い年月の間に日本人は「投資」について思考することも、分析することもしなくなってしまった。『自分自身の頭で』世界情勢を読み、為替・金利動向に思いを巡らせ、その上で四季報を手掛かりに個別企業の利益推移・財務状況を調べ、チャートで株価水準を確認し、投資するかどうかを判断するという、資金運用に関する基礎的リテラシーを備えている人が極めて少ない。そして、短期で大きく値上がりすると「噂される」株ばかりを追い求めている。

この32年間の間に日本の株式市場は横這いであったのに、アメリカは15倍近くに化けたという決定的な違いがある。資産価値が横ばいであった国と資産価値が15倍になった国とでは、自ずから「運用」に回す「余裕資金」の量に各段の差が出てしまう。かくして日本では「資金運用という営為」に対する評価が極めて低いものになってしまった。

人口の減少と高齢化が進む日本の株価はこれから大きな試練に見舞われるだろう。中央銀行である日銀が29兆円もETFを買って支えたうえでのこの株価なのだ。日本株に明るい前途があるとは思えない。恐らくそう遠くない時期に世界中の金融資産が大きく下げてからです。

来月からこの欄を担当する勝池和夫氏が得意な、アジアの株式をポートフォリオに加えることが正解になるのではなかろうか? ただしあくまでも大きく下げてからである。
長い間、ご愛読いただき有難うございました。

令和元年8月20日記

【編集部より】当コラム「鎌田留吉レポート」は今号を以って終了します。次号より、中国株投信の運用、東南アジア株投信の企画、インド株投信の販促などで25年以上のアジア経験を有する、勝池和夫氏による新連載が始まります。ご期待ください。

2. 株式展望と映画サロン

ムッシュ 望 月

「金融政策に手詰まり感の日本」

8月9日に発表された2019年4~6月の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質の季節成長値で前期比0.4%増、年換算で1.8%増、プラス成長は3四半期連続で、米中貿易摩擦の影響で輸出は停滞するも、改元に伴う大型連休による個人消費の伸び(内需)で下支えしました。

サービス業を中心に人手不足に伴う省力化投資も引き続き好調でした。一方、上場企業の2019年4~6期の純利益は前年同期比14%減と3四半期連続で減益です。
米中貿易戦争が直撃した製造業に加えて、非製造業にも陰りが見えだしました。非製造業は15種中、電力、通信、ガス、私鉄等を除く8業種が減益です。株価の先行きを見る上で重要な街角景気(景気ウオッチャー調査)で、景況の方向感を示す指数は前月から2.8P下落の41.2Pとなり、3ヵ月連続の悪化で、熊本地震のあった2016年4月以来の低水準です。

もう一段低下すると2014年の消費税増税時期に、更に悪化すると民主党政権から自民党政権に変わる水準35%まで下落することになります。
マイナス金利の日本には金融政策ではもう景気を支えることは出来ない状態にあり、大胆な財政出動が必要です。

「あなたの名前を呼べたなら」

7月中に8作品を観ました。第1位は「マーウェン」第2位は「トイ・ストーリー4」第3位は「今日も嫌がらせ弁当」第4位は「Girl / ガール」第5位は「よこがお」第6位は「COLD WAR あの歌、2つの心」第7位は「新聞記者」第8位は「ゴールデン・リバー」です。

7月、8月は夏休みシーズンとなりアニメ作品が多く、地元ららぽーと横浜のシネコンで観たいと思う作品が少なく残念な時期です。
今回紹介の作品は、最近渋谷ル・シネマで観た「あなたの名前を呼べたなら」です。
同作品は、2018年カンヌ国際映画祭批評家週間に出品され、見事GAN基金賞を受賞しました。監督は、アメリカで大学教育を受け、助監督や脚本家として活躍するムンバイ出身のロヘナ・ゲラです。
インドと欧米という2つの視線を持つ彼女の作品からは、未だに残る身分による差別変革をしたいという思いが伝わってきます。

農村出身の家政婦ラトナの夢はファッションデザイナーです。19歳で夫を亡くした彼女は、デザイナーの夢を実現するためにムンバイの建設会社の御曹司(米留学)アシュヴィンの高級マンションでお手伝いをスタートする。
結婚前に婚約者の浮気が発覚して破談となり、失意のどん底にあるアシュヴィンに気遣いながら身の回りの世話をする内に、ラトナは旦那様に誕生日のプレゼン(手作りのシャツ)をプレゼントすることで、二人の距離は一気に縮まり、恋が芽生えます。
しかし、二人の前に立ちはだかるのは身分の差、この解決する手段はなく、ラトナは旦那様の元を離れる行動に。さて結末は是非映画館でお楽しみ下さい。

3.株式投資力クイズ問題答えは最下段にあります)

今月は1970年に開催された大阪万博当時からの出題です。

1:間違っている記述を1つ選んでください

  1. アジア初の国際博覧会は3月14日に開催されました。
  2. 多くの観客が注目したのはアポロ12号が持ち帰った「月の石」でした。
  3. 最終的に4400万人もの集客を迎えました。
  4. 日本が戦後の復興から高度成長を駆け上がるきっかけになりました。

2:間違っている記述を1つ選んでください

  1. 岡本太郎による「太陽の塔」が多くの人の心に刻まれました。
  2. 関西電力の努力にもかかわらず万博会場に電気は届きませんでした。
  3. 大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」でした。
  4. 今実用化されている無線方式の電話や電気自動車などが未来の暮らしを予想させました。

3:間違っている記述を1つ選んでください。

  1. 同年3月31日に日航機「よど号」のハイジャック事件が発生しました。
  2. 1970年代では珍しいハイジャックでした。
  3. これに伴いハイジャック防止法が出来ました。
  4. この「よど号」事件を起こした犯行グループは、東京大学、京都大学、大阪府立大学、明治大学等の学生、社会人、未成年者でした。

4:間違っている記述を1つ選んでください

  1. 犯行グループの目標は親米政権打倒で、1917年のロシア革命を目指していました。
  2. 日本では戦後、北朝鮮への帰国事業が行われ、「地上の楽園」と宣伝されました。
  3. 「よど号」事件の人質問題の解決に、山村新治郎財務官が「私が人質の身代わりになります」と申し出、その後乗客・乗務員が解放されました。
  4. 当時の城郭の一人が、後に聖路加国際病院名誉院長を務めた日野原重明医師でした。

5:間違っている記述を1つ選んでください

  1. 「よど号」犯行グループの4人は北朝鮮で暮らしています。
  2. 犯行グループは全国で盛り上がった学生運動で、革命運動を目指した若者たちです。
  3. 1972年に「あさま山荘事件」を引き起こしました。
  4. 東京大学本郷キャンパス安田講堂を占拠していた事件で、大学から依頼を受けた警視庁が1969年1月18日から19日に封鎖解除され、東大の入試は行われました。

お知らせ

9月のイベント:

  • 株式投資塾(昼間編):9月10日(火)16時~イカス事務所
  • 株式投資塾(夜間編):9月17日(火)18時半~イカス事務所
  • シネマ倶楽部    :9月25日(水)15時~日比谷映画館&懇親会
  • カラオケ倶楽部   :9月27日(金)18時半~西新橋「倶楽部エル」

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【活かす通信】

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電話:03-3432-5859 FAX:03-3432-5869

発行責任者:林 孝 男

【株式投資力クイズの答え】

1:C(6400万人の集客となりました)
2:B(1970年8月12日の万博会場に電気が届きました)
3:B(1970年代には、日本航空、全日空で15件ものハイジャックが起きました)
4:A(1959年のキューバ革命を目指しました。チェ・ゲバラが英雄視された時代です)
5:D(1969年〈昭和48年〉の東大入試は中止されました。最も入学試験が難しい年になりました)