2020年7月25日 発行157号
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ICAS通信
2020年8月号

「マインドフルネス」

ランタナ

マサチュセッツ大学ジョン・カバットジン博士が医療分野向けに「マインドフルネス瞑想法」を開発し、ストレス軽減や集中力の効果があるとされたことから米国をはじめ先進諸国で静かなブームを引き起こしました。

ビジネス界でもアップルをはじめとしたIT企業や大企業が社員研修の一環としてこれを導入し世界中に普及していきました。座禅やヨガとも通じるところがあり、わが国でもこれらが瞑想の修行として広がりを見せています。

コロナウイルス蔓延に比例して人々の不安感がいつになく高まってまいりました。8月は夏休みの月でもあります。「マインドフルネス」の書物は書店に沢山並んでいますので、一読されては如何でしょう。ストレス軽減に役立つのではないでしょうか。さらに進んで簡単な修行に行き着ければ精神構造に変化をもたらしてくれるかもしれません。

 


1.勝池レポート(連載11)

「クール・ジャパンと日本の未来」

2012年の春頃、私は勤めていた投信会社で1本の日本株投信を提案したことがあります。それは『クール・ジャパン』という愛称の商品で、海外から見た日本の魅力に投資する今までにない切り口の日本株投信でした。

当時の日本経済は前年に起きた東日本大震災の傷跡も大きく、日経平均も民主党政権の下、8千円台で低迷していました。案の定、「何でこんな時に日本株なのだ?」と私の提案に積極的に賛同する人はほとんど現れませんでした。ましてや、このファンドの銘柄選定基準を感覚的な「カワイイ」「美味しい」「心地よい」としたのも前例になく、頭の固い方々には理解し難かったと思います。

それでも私はアジアの経験から、日本に大きなブームがやってきている、これからは多くの外国人が来日し、日本のクールな魅力に共感し、写真にあるような商品やサービスを日本国内で、また海外ではオンラインなどで大量に購入する時がくるという見通しに自信を持っていました。

そして、その予想は暫くすると的中します。年間800万人程度が普通だった訪日外国人数は、昨年には3,000万人を超え、彼らの猛烈な購買行動は「爆買い」という流行語になりました。

『クール・ジャパン』は、2013年の5月に小型のファンドでしたが、やっとの思いで商品化に漕ぎ着け、現在運用7年を過ぎたところです。その設定から今年6月末までの基準価額は108%上昇し、TOPIXの37%を約70%上回っています。

海外消費関連日本株ファンド
愛称:クール・ジャパン

大方のアクティブ・ファンドがベンチマークに勝てない投信の実情を考えると、それなりのパフォーマンスだったと言えます。今年から始まる新型コロナウイルスの拡大による訪日外国人の激減も、今のところファンドの運用成果に大きな痛手を与えていないようです。やはり、組入れ銘柄の絞込みが功を奏したのでしょう。

私の考えるクール・ジャパンは、19世紀の後半にヨーロッパで起きたような一時期な日本趣味(ジャポニズム)ではなく、またアニメなどのコンテンツの輸出が中心の狭い範囲に限られるものではありません。それは、日本経済がこれから生き残っていくための、非常に重要な成長戦略だと思います。一筋の光明と言っても良いかもしれません。

その本来の魅力を外国人目線で正しく理解し、SNSなどを通じ戦略的に海外に発信すれば、地方の活性化はおろか日本経済にも大きなインパクトをもたらすと考えています。しかしながら、日本の官民ファンドの一つであるクール・ジャパン機構は、この折角のチャンスを活かしきれていません。クール・ジャパンの魅力の絞込みと見せ方がとても下手だと感じます。

かなり前になりますが、私は中国経済や株式市場についての意見を伺うために、「お金儲けの神様」と呼ばれた邱永漢氏に2度お会いしたことがあります。その後も氏の見方をメディアで追いかけていましたが、2012年の5月にお亡くなりになる1ヶ月ほど前に書かれた文章が大変印象に残っています。

邱先生は、「シャッター通りの向こうに新しい産業が」や「地方に生き残った企業が次の成長産業」というタイトルのコラムで、「一巻の終わりだと思っていた日本の地方都市には、逆境の中で生き残っている新しい地元企業があることに最近になってやっと気づいた」と述べておられます。

この先生の日本の地方に再び期待の眼差しを向けられた変化には、それがちょうど私が『クール・ジャパン』の企画をしていた頃なので、余計に驚きました。世界の人が共感し欲しくなるクールな商品やサービスを提供している企業は、上場企業にも勿論ありますが、むしろ地方に多くあります。私はファンドのコンセプトに更に自信を深めました。今思うと邱永漢氏の先見力はやはり凄いですね。

在りし日の邱永漢氏
湖島のニガウリ日誌 より

グローバルよりもローカル、都市よりも地方の時代が、ポストコロナの新しい生活様式とデジタル化の波に乗る時、日本の伝統と風土が生み出した「カワイイ」「美味しい」「心地よい」の『クール・ジャパン』の魅力のファクター3が、より強力な発信力をもって世界を魅了するのではないかと期待しています。

2. 株式展望と映画サロン

ムッシュ 望 月

最近の株式市場:「第3次世界大戦?の行方」

改めて今年の米中の流れを検証してみましょう。

2020年1月12日に行われた台湾総統選挙では、中国からの独立を主張している蔡英文が勝利を収め、誰の目にも習近平が破れ全人代での約束を果たせなかったことが明白となりました。

また中国政府は、2019年末香港を実質的に中国に置こうとする政策「逃亡犯条例」の改正を強要するも、大規模な反政府デモに追われ、アメリカ政府が香港の民主主義を守る特別法案を成立したことで「逃亡犯条例」を引っ込めざるを得ませんでした。追い打ちをかける形で1月13日には米中第1次経済協定を締結し、モノづくりチェーンを作り世界経済を動かしてきた中国の完全敗北となりました。

1月21日の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)では、新型コロナウイルスについて全く触れられませんでした。1月23日に湖北省の省都武漢を全面的にロックダウン、閉鎖をしましたが、中国は春節と呼ばれる旧正月は認め、国内外に国民は大移動しました。この大移動は、第3次世界大戦を彷彿とさせる無差別攻撃(人間ミサイル)としてアメリカ、ドイツ、イタリア、フランス、日本等に撃ち込まれました。

 

ようやく1月30日にようやくWHOは緊急事態宣言を出しました。米国は、翌日の31日に、特別機を送り込み、外交官はじめ政府関係者をワシントンに引き上げました。しかし、1月、2月だけでも中国と米国の間には30社にのぼる各国の民間機が往来しており、150万人の人が中国から入り込んだと言われています。この150万人はファーウェイが開発した監視システムを使い、中国人の動静を把握していたことが判明したこともあり、米国は中国の戦略、戦争行為と認識しました。

経済対立から一気に戦争状態に突入、不意打ちをかけられた米国は、緊急経済対策や治療薬、ワクチン開発により、その衝撃から立ち直りつつあり、反撃体制へ。「Remember China Virus」の掛け声の元株価は大底からの立ち直りを示しています。

株価の上昇こそが米国の勝利に向かう旗印と言えます。英アストロゼネカ、米ファイザー、米J&J等の治験が進み、早期の認証が期待されています。中国では長江の洪水、三峡ダムの決壊が懸念されるなかで、政府主導の景気回復政策による上海総合指数の上昇が見られます。熱い夏となりそうです。

映画サロン:紹介作品は「エジソンズ・ゲーム」

外出が自粛された中、映画鑑賞は3ヵ月ほどお休みでした。ようやく解禁と言うことで、「エジソンズ・ゲーム」「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語)」「ランボー ラスト・ブラッド」「ドクター・ドリトル」を観てきました。

入場時には、検温が義務付けられ、4回とも36.5度で鑑賞が可能できました。120~150席の客席に対して観客数は5名程度と超軽密、チケット販売機のところにも人が張り付き、1人終了ごとにアルコール消毒をする念の入れようでした。

今回の紹介作品は「エジソンズ・ゲーム」で、原題は「The Current War(電流戦争)」です。直流式の電流を推し進めるエジソン、交流式を推し進める天才肌のテスラと実業家J.上スティングハウスとの戦いが本作品のメインテーマです。ある意味では、ビデオ(VTR)の「VHS対ベータ戦争」のようなものです。エジソンの主張する直流式では、電圧が低いことから大量の発電機が必要となり、交流は高圧であることから遠くまで電気を送ることが可能で、安価でもあります。
エジソンは、勝ち目が薄くなると、交流を使った動物の安楽死デモンストレーション、交流を使った処刑用の電気椅子を政府に提言するなど、交流の危険性を世間に知らしめようとします。しかし、最終的なバトルは、1893年のシカゴ万国博覧会で、ウエスティングハウスの交流に軍配が上がります。電気誕生の裏側に、こんなビジネスバトルがあったということを知り、知的満足度も高まりました。

トーマス・アルバ・エジソン(1847年2月11日-1931年10月8日)は、アメリカを代表する発明家、実業家で、スポンサーはJPモルガンでした。生涯におよそ1,300もの発明と技術革新をしました。エジソンの名言に「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」があります。因みに、筆者の誕生日も2月11日で、子供時代からエジソンは特に気になる存在でした。

3.株式投資力クイズ問題答えは最下段にあります)

最近の政治経済についてからの出題です。問題に挑戦ください。

1:主要7か国首脳会議「G7サミット」の構成メンバーについて、正しいものを1つ選んで下さい。答えをみる

  1. インド
  2. イタリア
  3. 中国
  4. ロシア

2:世界のコロナ感染者数(2020年6月末現在)についての問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. 感染者数が1000万人を超えた
  2. 2019年末から100万人を超えるのに3ヵ月強かかった
  3. その後の1ヵ月半で500万人強となった
  4. 感染者数は、米国が1位で、ロシア、インド、ブラジルの順である

3:年金に関する問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. DBとは確定給与企業年金のことです
  2. イデコとは個人型確定拠出年金のことです
  3. 掛け金が所得控除の対象となりますが、運用益は非課税とはなりません
  4. イデコは加入者自ら投資信託を運用する私的年金です

4:年金に関する問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. 2020年5月末の年金法の改正により2022年10月から、全ての会社員がイデコに加入できます
  2. DBは加入した期間などに基づき、あらかじめ将来の給付額が決められている私的年金です
  3. 企業は積み立て時の拠出金を損金として扱うことが出来ます
  4. DBは福利厚生の一環として、ほとんどの企業が利用しています

5:年金に関する問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. コロナの影響があったが運用の赤字は回避できました
  2. 公的年金の運用する独立行政法人をGPIFと言います
  3. GPIFのポートフォリオ(資産構成)は、国内外の株式・債券にそれぞれ25%ずつ投資する手法です
  4. 3月末時点の運用資産は約150兆円です

4. イカスからのお知らせ


  • 株式投資塾(昼間編):8月11日(火)16時~イカス事務所
  • 株式投資塾(夜間編):8月18日(火)18時半~イカス事務所

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発行責任者:林 孝 男

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  1. B〉イタリアがG7の構成国です
  2. D〉ブラジルが第2位です
  3. C〉非課税の対象となります
  4. D〉一部の大企業が利用しています
  5. A〉8兆2831億円の赤字で、マイナス4.5%です