2020年11月25日 発行161号
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ICAS通信
2020年12月号

「人生で最も大事な資産」


クリスマスローズ

人生で最も大事な資産は何だと思いますか?
答えは『時間』です。若いうちは「時間は無限にある」と思うかもしれませんが、残念ながら、時間は”有限”です。
あなたの貴重な時間を何に投資するのか、これが人生を決めます。

株式に投資されている方はそれなりに素晴らしいことだと思います。投資の手法も数多くあります。投資手法の研究は難しくストレスが溜まると言う方もいますがノウハウを覚えてしまえば簡単だと思います。頑張ってください。

 


1.勝池レポート(連載14)

「いよいよ始まるインドの黄金時代」

今回のアメリカ大統領選挙でジョー・バイデン氏が勝利し、その副大統領にカマラ・ハリス氏がアメリカ初の女性で黒人、そしてアジア系移民の子として誕生することは、これから始まるインドの黄金時代の前触れのような気がします。

ハリス氏は、ジャマイカ系の父とインド系の母の間にカリフォリニアで生まれ育ちました。現在56歳です。バイデン氏が77歳と高齢なため、2024年の2期目には出馬しない可能性が高いため、彼女が次回の選挙では有力な大統領候補なると見られています。それにしても、先日行われた彼女の勝利演説は、絶望しそうだったアメリカの民主主義の将来に希望を繋ぎ止める感動的なものでした。
このバイデン、ハリスの勝利をインドのメディアはインド人の誇りとして大きく取り上げています。その当選確実が伝わった翌日のインド株式市場は、それを祝うように力強く史上最高値を更新しました。
また、バイデン氏の祖先が1700年代にアイルランドから東インド会社のキャプテンとしてインドに渡り、インド人女性と結婚し、その間に生まれ子孫が未だにインドのムンバイに住んでいるとう、バイデン氏の言葉も次期アメリカ大統領とインドとの深い縁として大きなニュースになりました。

このような繋がりと、進行するデジタル化時代への対応もあり、新しい政権の重要ポストには数多くのインド系アメリカ人が登用されると見られています。
実は、インド系人材の世界政治での活躍は、アメリカだけに限ったことではありません。英国のボリス・ジョンソン内閣の閣僚メンバーには、39歳の若さで事実上のナンバー2と言われる財務大臣に抜擢されたリシ・スナク氏(写真下)を筆頭に、3名のインド系の人材が登用されています。

それに余談ですが、ジョンソン首相もインドと意外な縁があります。彼の2番目の妻のマリナ・ウィーラーさんの母親はシーク教徒のインド人です。そのためか、インドで聞いたところでは、ジョンソン首相のインド人脈はかなり広いとのことです

世界の投資家は長い間、インドの国内市場の成長性を同国に投資する最大の魅力と考えてきました。つまり、増える人口、若い人口、中間層による消費市場の拡大、インフラの整備や規制改革の進展などです。これらは言わば、世界に追いついて行くインドのイメージでした。

しかしこれからのインドには、上記のように先進国の政治や、AIなど最先端のデジタル技術、ワクチンの開発・生産・供給などの医療技術、更に新しい投資尺度のESG(環境、社会、ガバナンス)などの分野で世界をリードしていく新しいイメージが加わると予想されます。これは大変大きなトランスフォーメーションです。

世界経済が新型コロナウイルス感染拡大による深刻な景気後退から完全に回復するには相当の時間が必要と予想されます。そのため、暫くは世界の金融は大幅に緩和された状態が続きそうです。
その最中、力強い景気の回復と同時に、テクノロジーとグローバリズムで、そのプレゼンスを急速に高めていくであろうと期待されるインドという世界最大の民主主義国家の黄金時代に、世界の投資家や多国籍企業は大きく資金をシフトしていくと見ています。

2. 株式展望と映画サロン

ムッシュ 望 月

最近の株式市場:「スガノミクス+バイデン相場の行方」

株式市場は11月3日の米大統領選挙の後、大きく動き出しました。
6月~7月は22,500円を中心、8月から10月は23,000円を中心とした動きで、米大統領選後は大きく下落するのではないかとの不安で下落に対応したポジションを持つ投資家が目立ちました。
バイデンの優勢が見えだしたところから買戻しの動きがスタートしました。市場はバイデンの勝利に揺れました。その後9日にはファイザーのワクチンの有効性、次にモデルナの有効性とポジティブな情報により株価は続伸し、日経平均は26,000円、NYダウは30,000ドルまで上場しました。

3月中旬の不安に怯えたのは嘘のようです。現在も世界各地で感染拡大していますが、経済は回復基調を示し、上方修正する企業も予想以上に増えたことも上昇を支える要因と言えます。
この1ヵ月で日経平均は3,000円程度上昇しているだけに過熱感はあります。ただ動き出した流れを見る限り、今後買われ過ぎの調整が10日から2週間と続いたとしても、下値は24,500円程度(下落率5%)と思われます。

スガノミクスは、着実に進むと思われますので、デジタル化、排出削減、国土強靭化の関連銘柄には積極的な対応が必要です。東証マザーズ銘柄については、12月はIPO銘柄一色となります。来年1月はIPOがない時期に当たるので、再度投資家は既存の上場銘柄にシフトするという流れを考慮した投資が有効と言えます。カネ余り相場は継続で、外国人投資家も久しぶりに2週連続の買い越しとなっています。

映画サロン:「ミッドナイトスワン」に打たれて

年末に向かいコロナ感染者数は増加に向かっていますが、第1波、第2波に比べて第3波については、過去の波程の不安に踊らされることはなくなりました。
映画の鑑賞作品数も月を追うごとに増加しています。私の年間の鑑賞作品数は63作品となりました。今月のベスト3は、鬼滅の刃、君の瞳が問いかけている、罪の声です。

先月紹介するつもりだった「ミッドナイトスワン」について紹介します。
草彅剛が主演の話題策で、夜のショーパブで働くヒロイン凪沙(トランスジェンダ)を演じています。

彼女と仲間は衣装を着けメイクを施し、チャイコフスキーの「白鳥の湖」を踊っている場面からストーリーは始まります。昼の凪沙は生きづらそうにしており、白鳥として舞台に立つときが自分らしいように見える。凪沙の体は男のよう、でも心は女性、もがき苦しむ凪沙のもとに故郷から中学生の一果が訪れます。一果も都会には馴染めず、凪沙と一果の関係もギクシャクしていました。

バレエの才能がある一果は、バレエ教室と言う別世界を見つけ、めきめきと光り出します。一果をバレエに引き込んだ友人りんを超え、徐々に社会からかけられた呪いを解き世界へ羽ばたいていきます。その呪いを解いてくれたのは、凪沙からの絶対的な永遠の愛でした。凪沙は決して裏切ることはなく、黒鳥オディールだった一果は、凪沙によりオデットの姿になります。トランスジェンダであることは悲劇の象徴ではありません。この映画がバレエの変装であるとすれば、一果との出会いから凪沙の行く末は悲しみを帯びる事になります。しかし、凪沙は一果を通じて、母と言う貴重な体験を得る事も出来ました。最後の海のシーンだけは、明るい光を感じさせてくれます。
今年度の日本アカデミー賞の主演男優賞候補に草彅剛を押します。主演女優賞かな?

3.株式投資力クイズ問題答えは最下段にあります)

最近の政治経済についてからの出題です。問題に挑戦ください。

1:新型コロナウイルスについての問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. 米ファイザーが公表した最終段階の臨床試験の初期のデータで、市場を驚かせたのは90%という有効性の高さでした。
  2. ファイザーの他に、米ジョンソン&ジョンソンや英アストロゼネカが開発中。
  3. イーライ・リリーやギリアドが治療薬を開発している。
  4. ワクチンは、セ氏マイナス50度での保管が必要である。

2:中国に関する問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. 中国指導部は民間企業の民間支配を強め、アリババの子会社を上場延期に追い込んだ。
  2. 中国独身の日のアリババの売上は約7.7兆円を突破、昨年の2倍を上回った。
  3. 日本の楽天の年間売り上げと同じになった。
  4. 中国は2025年国を目途に、新車販売の半分を条件付きの自動運転にすると公表した。

3:大型の協定に関する問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. RCEPとは、東アジア地域包括的経済連結のことである。
  2. インドは、RCEPに参加している。
  3. TPPとは、環太平洋経済連携のことである。
  4. 欧州連合(EU)との経済連携協定は、まだ結ばれていない。

4:国内景気に関する問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. 2020年7~9月の国内総生産(GDP)の伸びは前期比18.3%である。
  2. この伸び率は、1980年以降最大の伸びである。
  3. 4~6月に戦後最大の28.1%の落ち込みとなった反動である。
  4. 4四半期連続のマイナス成長である。

5:国内外の経済に関する問題です。間違いを1つ選んでください。答えをみる

  1. 19年7~9月期の実質GDPは年間換算で539兆円だった。
  2. 20年4~6月期には484兆円に1割以上減った。
  3. 中国は前年同期比4.9%増で、2期連続プラスだった。
  4. 米国は前年同期比23.1%増であった。

4. イカスからのお知らせ


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  • 株式投資塾(夜間編):12月15日(火)18時半~イカス事務所

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発行責任者:林 孝 男*

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*今年度末で理事長職を退任致し、後任に引継ぎいたします。

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  1. D〉セ氏マイナス70度での保管が必要です。
  2. C〉楽天の年間売上高は4兆円である。
  3. B〉インドはRCEPに現状は不参加である。
  4. D〉4四半期ぶりのプラス成長である。
  5. D〉米国は33.1%増であった。