2018年3月20日発行
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ICAS通信 129号

「今年の桜は吉、それとも兇?」

紅白の梅が咲き誇る風景が彼方此方で見られる今日この頃ですが、続いて、いよいよ桜の季節の到来です。

久かたのひかりのどけき春の日にしず心なく花のちるらむ」とうたった紀貫之は、のんびりと静かに桜を見ていたいのに、桜はなぜ散り急ぐのかと詠んでいます。人間にとっての生死感を象徴する季節と捉えることができるかもしれません。

翻って、市場の動向を見ますと、すったもんだした北朝鮮問題がアッという間に対話ムードに、そして一強独裁と言われた安倍政権が森友学園疑惑で一挙に弱体化する懸念が出てきました。

市場の生死に繋がるかもしれない大事件がどう進展するのか、括目する必要がありますね。お互いに注意深く見守っていきましょう。

イカスでは投資クラブ研究会の他、半期の交流会、企業見学会、シネマ倶楽部、カラオケ倶楽部、ゴルフ倶楽部など、幅広いコミュニティーの組成にも力を注いでおります。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

 

目 次

  1. 鎌田留吉レポート
    『2009年からの「超超金融緩和相場」は終わりを告げたと思われる』
  2. 今月の推薦映画
    『ブラックパンサー』
  3. 株式投資力クイズ問題
  4. イカスからのお知らせ

1. 鎌田留吉レポート

『2009年からの「超超金融緩和相場」は終わりを告げたと思われる』

千葉の県人 鎌田 留吉

2月2日から暴落が始まったダウ平均は、3月19日 ▲335ドルで終わり三角持ち合いを下っ放れた。

2009年から始まったNYダウ平均の大相場は既に大天井を打った。それはアメリカで「超超金融緩和」が終わってしまったからである。実体経済は堅調ではないか?という声には、株式市場と実体経済は基本的には無関係であり、相場は景気が「未だし」のうちから上げはじめ、「幸福感の中で消えていく」(ジョン・テンプルトン)ものだからと答えよう。

今回のアメリカの大相場を一言でいうなら、「超超金融緩和相場」ということに尽きる。伝統的な緩和手法である政策金利の段階的引き下げから始まって、それが行き着いてゼロ金利に到達してからは、「量的金融緩和」(QE)という尋常ではない手段がとられた。
しかし実は今や、アメリカにおいて「金融の引き締め」が始まってから2年3か月もたつのだ。2015年12月に一回目のF.F.レート引き上げがあり、(0%〜)0.25%が0.5%になった。その後二回目は1016年12月に実施され0.25%上げて、0.75%になった。2017年には計三度引き上げられ3月に1.0%になり、6月に1.25%になり12月に1.5%になった。
しかし、2017年9月まで国債利回りは殆ど反応しなかった。国債利回りが動意づいたのは2017年9月21日(10年国債の利回り2.278%)にFRBが「量的金融緩和の逆の営み」=「保有国債の売却による市場からのマネーの吸収」を発表してからである。その後2年債にしろ10年債にしろ、国債利回りは一方的に上げ続け2月2日に10年国債は2.841%に上昇した。そして株式の急落が始まったのである。

金利が上昇すると何故株が売られるのか?。逆を考えればむしろ解りやすい。2007年9月以降F.F.金利は5.25%から下げ続け2008年12月から(0%〜)0.25%(=実質的0金利)になって7年間ゼロ金利のままであった。
2009年3月に株式は底を打ち、それからはあげに上げ続けたことは周知のとおりである。ゼロ金利になってから、4か月後に株式は底を打ったのだ。それはリスクオンがスタートしたということである。極めて低い短期金利で資金調達していわゆる資産(株式と不動産)にお金がまわり始め、そこからは「買うから上がる」「上がるから買う」という循環になっていった。それが今逆の回転を始めたのである。リスクオフの始まりである。(タイムラグが何故起こるかについては2015年6月の本欄「F=ma」参照

株を売ったお金はどうなるのだろうか。1.債券に向かう 2.市場に留まって他の銘柄に向かう 3.暴落したときに購入するための待機資金として寝かせる 4.完全に市場から離れてEXITする。

  1. 国債の利回り上昇は今後も続くと思われ、今の水準(10年で2.84%)も決して魅力的ではない。
  2. この可能性は否定できない。上昇相場が丸9年も続いてきたのだ。しかし、2月5日の1175ドルという史上最大の下げで、戻ったら売りたいと思っているひとは多い。
  3. オマハの賢人ウオ―レン・バフェットは2017年9月現在、現金比率を高め2007年のバブル崩壊前の水準に近づけている。比率で14.2%、金額で10兆2000億円(1ドル=106円換算)という大量の現金を、暴落に備えて寝かせている。
  4. これからの金利上昇の継続を考えるなら、完全にEXITする人が正解となるのだろう。

2018.3.20.記

2. 今月の推薦映画

『ブラックパンサー』

ICAS専務理事 望月純夫

ブラックパンサーは、国王とヒーローの二つの顔を持つマーベルのキャラクターが活躍するアクション超大作です。国家元首として自国の利益を守るのか、あるいはヒーローとして技術と富を共有して人類を守るのか、この葛藤は、まさしく現代アメリカを鏡に映したもののようです。

更には、国家や正義のために血の繋がりを持った敵と戦わなければ展開は、ギリシャ神話を思わせます。
アフリカの秘境にあるワカンダ王国、そこは発展途上国と思われていますが、本当の姿は世界から隔絶された超文明国でした。ワカンダで産出される鉱石ヴィブラニウムが高度なテクノロジーを可能にしていましたが、同時にそれは世界を破滅させるほどのパワーを秘めていて、歴代の王は、悪用されないように鉱石の存在を極秘にしていました。父王の急死により、国王とブラックパンサー二つの使命を受け継いだティ・チャラは、謎の男エリック・キルモンガーや武器商人ユリシーズ・クロウらがヴィブラニウムを狙ってワカンダに潜入しようとしていることを知ります。

ブラックパンサーの決断は、正義と政治の両方に深く関係し、その影響力は計り知れません。黒人を主人公としたヒーローものは、ブラックスプロイテーション映画の系譜ですが、この物語の同時代性を見れば、本作は人種を超えた普遍的なテーマを扱っていると、すぐに気づかされます。とはいえ、黒人特有の秀でた特性を活かすことを忘れてはいません。彼らのルーツを思わせるアフリカの鼓動のような音楽、しなやかな体躯を活かしたアクション演出はブラックパンサーと敵手エリックの動きを流麗に見せています。暴れっぷりが半端ではなく、美しい女性キャラにも目を奪われました。

監督のライアン・クーグラーは「クリード・チャンプを継ぐ男」でもアクションシーンに冴えを見せましたが、むしろ長編デビュー作「フルートベール駅で」にも通じる作家性をスーパーヒーロー映画に持ち込んだセンスは抜群と言えます。マーベルのヒーローは、神だったり大富豪だったり、緑色の大男に変身する科学者だったり、と誰もが一風変わっていますが、ブラックパンサーは中でも別格です。希少鉱石ヴィブラニウムはキャプテン・アメリカの盾(シールド)にも使われていて、ブラックパンサーは次回のアベンジャーズにも参戦します。しかし、本作の優れている点は、単体でも物語がしっかりと構築されていることです。美しく強靭な黒ヒョウの活躍を見逃さないように。トランプ大統領の政策に対する皮肉な名作と言えます。

3.株式投資力クイズ問題

今月のクイズです。株式投資をする際に知っておくべき基本的な知識です。(答えは最下段にあります)。

1:株式投資を行う上で必要なことです。下記の中から間違いを一つ選びなさい。
  1. 株式投資の成果は、結局自己責任となるため、それなりの理論武装が必要である。
  2. 単なる勘ピュータや、市場の風雪に惑わされるようでは、継続的な利益は望めない。
  3. 経済学や証券理論に優れた学者や評論家は相場巧者である。
  4. 一般投資家でも、基礎的な知識を持った上での応用力があれば、生きた相場と闘うことは十分可能である。
2:株式投資分析についての記述です。下記の中から間違いを一つ選びなさい。
  1. 一般投資家の場合、ファンダメンタル分析で全体感を研究し、投資銘柄を選択する必要がある。
  2. ファンダメンタル分析では、景気や企業業績などを重視する。
  3. テクニカル分析では、相場の方向とか、相場特有の動きそのものを重視する。
  4. 株価の分析には、ファンダメンタル分析とチャート分析がある。
3:相場との対峙の仕方についての記述です。下記の中から間違いを一つ選びなさい。
  1. 相場との取り組みを言い表した名言に「相場は相場に聞け」がある。
  2. 機関投資家によるプログラム売買も、チャートのルールに基づいて行動することが多い。
  3. 1種のチャートで判断する方が間違いは少ない。
  4. 相場の妙味は、強気と弱気が対立している時である。
4:チャートの取り組み方と勉強法の記述です。下記の中から間違いを一つ選びなさい。
  1. いくつかのチャートの原理原則に類する基本的な考えを理解し、実践をすることが大事である。
  2. 自分のチャート感が現実の相場と離反している時は、その軌道修正をすることに躊躇しない。
  3. 相場は、いつかは中大勢的に必ず反転する。この反転をいち早くみつけるのが、チャートの極意である。
  4. ミクロの積み重ねがマクロであり、マクロ分析が重要である。

お知らせ

  • カラオケ倶楽部:3月23日18時30分〜
    ICAS Night、西新橋 倶楽部エル
  • 企業見学会:ヤマト運輸 羽田クロノゲート見学&懇親会
    2018年4月7日(土)14時30分-20時
  • イカス上期交流会:2018年6月2日(土)18時-21時

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(株式投資力クイズの答え:1→3 2→1 3→3 4→4)