2018年4月20日発行
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ICAS通信 130号

「季節は最高!されど世界動向は?」

例年より早く桜の季節が過ぎ、アッという間に葉桜となってしまいました。

しかし、様々な草花、花木が桜に代わって咲き乱れ素晴らしい季節を演出してくれています。

ところが、これとは逆に、世界情勢はシリアや北朝鮮をはじめ政治外交問題が錯綜し、米国発の貿易問題が世界各国に波及するに及び混迷が深まっています。

折しも、ゴールデンウイークを控え、東京株式市場はマヒ状態に陥っております。

新年度入りに当たり、この難しい時勢を乗り越えるべく、新たな覚悟で投資研究を重ねていこうではありませんか。

更に、イカスでは投資クラブの他、交流会、企業見学会、シネマ倶楽部、カラオケ倶楽部、ゴルフ倶楽部など、幅広いコミュニティーの組成にも力を注いでおります。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

 

目 次

  1. 鎌田留吉レポート
    『心に叶わぬもの』
  2. 今月の推薦映画
    『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
  3. 株式投資力クイズ問題
  4. イカスからのお知らせ

1. 鎌田留吉レポート

『心に叶わぬもの』

千葉の県人 鎌田 留吉

賀茂川の水、双六の賽、山法師、これぞわが心にかなわぬもの」と白河法皇が嘆いたという。
逆に言えばこれ以外のことは思うがままであったということだ。

我が安倍内閣になってから、合法的独裁ともいえる政治が続いている。
構成メンバーの選択時から結果が読める「第三者委員会」と称する機関で審議した体裁を繕い、思う通りの結果を導き出す。「加計学園」と「森友学園」問題で初めて現代的な加計(カ)と森友(モ)川の奔流にもまれたようなものだ。

その安倍内閣の独裁を許してきた「要諦」は「人事」にある。
一つは、小選挙区制における公認候補の選択である。公認されない限り膨大な選挙資金が支給されない。そのため、執行部への批判は抑制される。
二つは、官僚の「忖度」を誘発する根本原因となった、今話題の「内閣人事局」である。2014年に成立したこの制度により高級官僚の人事権が内閣に握られた。官僚は自己の出世及び保身のため内閣の顔色就中、総理大臣の意向を(勝手に)汲むようになった。

私は今回の加計&森友問題に安倍総理大臣自身は全く関与していないだろうと思う。おそらくは官僚の勝手な「忖度」により引き起こされた事件であろう。
ただ黒幕がいるとしたら、私は菅 義偉(よしひで)官房長官その人であると考えている。
第一に「内閣人事局」は内閣法第21条により内閣官房に置かれることになっている。その4項に人事局のトップである内閣人事局長は「内閣官房長官を助け、命を受けて局務を掌理するものとし」「内閣官房副長官のなかから指名」されるからである。つまり実質的トップは官房長官なのだ。
第二に菅義偉氏の陰湿な性格である。彼は横浜市議の頃から「影の市長」と呼ばれるほどで、暗に権力を行使する癖がある。2006年に総務大臣に駆け上がったとき、放送法をチラつかせてメデイアに圧力をかければすぐに怯むことを覚えた。2006年4月日本郵政総裁の生田正治氏を更迭し、西川善文氏にすげ替え、2013年日本郵政社長の坂篤郎氏を就任僅か6か月で首切った。そして初代「内閣人事局長」に内定していた杉田和博氏を直前に撤回し、加藤勝信氏に変えさせた。
「これで、菅官房長官に対して官僚は従順になったはずで、その後、官僚は菅氏の剛腕を恐れるようになった。」と高橋洋一氏は語っている。

これに対し人事権をチラつかせることができないときの菅氏は極めて脆い。
2015年4月新任の翁長(おきな)沖縄県知事を説得に態々沖縄入りした際、翁長氏の論理に何の反論もできず、引き下がらざるを得なかった。菅氏が法政大学法学部の2年先輩であるにも関わらずである。

広い意味での「人事」を絡ませられる事柄については、遠隔操作を含め強権を発動出来てきた。「この世をば我が世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思へば」という藤原道長の気持ちになっても不思議はない。

しかし、そのような驕りに満ちた安倍内閣が犯した最大の過ちがある。それは日銀のETFの購入である。マーケット、殊に株式市場の暴落は誰も停めることができない。
2012年秋からの日銀の買い越し額は、今や外国人の買い越し額12兆円をはるかに凌駕する18兆円に至った。18年3月末の時価ベースで推計24兆円に達する。

株式市場の恐ろしさを知らない「ど素人集団」が、自分たちにひれ伏す人間と同様に、いくらでも操作可能だと思っているのだ。自己資本3兆7000億円の日銀にとって、株式市場が40%下げれば株式の含み損だけで自己資本が吹っ飛ぶ。日本のバブルの最高値3万8915円のあと日経平均は2003年に7607円まで(▲80.4%)2009年には7054円まで(▲81.8%)下げたのだ。

2018.4.17.記

2. 今月の推薦映画

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

イカス専務理事 望月純夫

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」は、第二次世界大戦下のイギリスで、苦渋の選択を迫られるウィンストン・チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの4週間を描いた伝記ドラマです。

対話か交戦か、ヒトラーという分かりやすい絶対悪が存在していた時代、ここでは交戦が正義の選択に、しかしそれは後世の人間だから言えることです。
人間としても政治家としても欠点が多く、政敵だらけのチャーチルは、不安と絶望の中で、国民に犠牲を強いる苦渋の決断をします。

第二次世界大戦後の1940年、ヨーロッパでナチス・ドイツが猛威を振るう中、イギリスではチェンバレンの後任として、ウィンストン・チャーチルが英国首相に就任します。
ベルギーが陥落し、フランスが陥落寸前、英仏軍がダンケルクの海岸に追い込まれる絶体絶命の中、政界で敵の多いチャーチルは、ヒトラーとどう向き合うかの選択を迫られます。和平か徹底抗戦か、街での市民の声に耳を傾け、チャーチルは自信に満ちた言葉で国会議員に向かい演説を始めます。これは、イギリスとドイツの戦いではなく、私たちを含む全世界の運命がかかったものでした。本作のタイトル「DARKES THOUR(最も暗い時)」に立ち上がることが出来る人間だけが真のリーダーであると教えるドラマです。

政治家の伝奇物語ですが堅苦しさはなく、新人秘書(タイピスト)の目を通すことで、老政治家チャーチルの私生活や家庭人としての側面、風変わりな仕事ぶりを描いたところが効果的でした。無心で猫と戯れたり、トレードマークのVサインの意外な誕生秘話など、微笑ましいエピソードも楽しめます。

何より偉大なチャーチルを、チャーミングな変わり者として演じたゲイリー・オールドマンの名演技抜きに、この映画は語れません。彼が今まで演じてきた、ロックスターや悪役などの名演は、政界一の嫌れ者といわれたチャーチルと不思議なほど共通点があります。

演説のシーンは、どれも見事ですが、地下鉄の中で庶民に直接声を聞くシークエンスが素晴らしく感動的です。名もなき国民こそが本当に願っていたのは、「断じて降伏しない」と、ジョー・ライト監督は、奥深い人間描写でチャーチルとその周辺の人物たちを見事に描いています。

特殊メイクの辻一弘の突出した才能が、魅力に満ちたチャーチルを作り上げています。英国のEU離脱は、国民の声、新しい時代の幕開けか、後世の人は、どう評価するのでしょうか。ここでも宿敵ドイツとの戦いが窺えます。

3.株式投資力クイズ問題

今月のクイズです。これから決算発表の時期となります。基礎的な財務の知識があると投資する先企業の分析に便利です。(答えは最下段にあります)。

1:財務諸表についての問題です。下記の中から間違いを一つ選びなさい。
  1. 財務3表とは、損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)のことである。
  2. キャッシュフロー計算書には、営業キャッシュフローと財務キャッシュフローがあり、1年間でキャッシュ(現金)残高がどれだけ増えたかを表す。
  3. 損益計算書は、売り上げから人件費などの費用を引いて、1年間でどれだけ儲けたかを表す。
  4. 貸借対照表は、どうやってお金を集めて何に使ったかの、決算日時点の状況を表す。

2:損益計算書(PL)についての問題です。下記の中から間違っているものを一つ選びなさい。
  1. PLで一番上にくるのが売上高で、企業の成長を測る大事な指標である。
  2. この売上高から材料や仕入れの費用である売上原価を引いたものが粗利益という。製造業の場合は、人件費は売上原価に含まれない。
  3. 売上高総利益から広告宣伝費や営業の為の人件費を引いたものが営業利益である。新聞では、本業の儲けと表現される。
  4. 営業利益率は、営業利益を売上高で割った値である。

3:利益を増やす方法についての記述です。下記の中から間違いを一つ選びなさい。
  1. 単価を上げる。すなわち販売価格を上げる、値上げをすることである。
  2. 販売数量を増やすことである。
  3. 固定費を削減することである。
  4. 原価を上げることである。

4:利益を増やす方法についての記述です。下記の中から正しいものを一つ選びなさい。
  1. 販売数量を増やすには、販売価格を引き下げることが必要ある。
  2. 固定費削減には、人員削減が必要である。
  3. 時代にあった商品を適正な価格で販売することである。
  4. 原価を下げるためには、取引業者を変えることが必要である。

お知らせ

  • シネマ倶楽部:4月25日15時〜「ダンガル」東宝シネマシャンテ
  • イカス上期交流会:2018年6月2日(土)18時-21時

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【活かす通信】

発行人:特定非営利活動法人イカス www.toushi-club.com

発行責任者:林 孝男

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(株式投資力クイズの答え:1→2 2→2 3→4 4→3)