2017年7月21日発行
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ICAS通信 121号

「相場格言 漁師は潮を見る!」

「七夕」が過ぎ、いよいよ待ちに待った盛夏の到来です。海にくり出す人々も一気に増えることでしょう。

さて、投資環境を眺めて見ますと、米国トランプ政権の滑り出しはゴタゴタが続き選挙公約も殆ど具体化しないにも拘わらず、NY株式市場は史上最高値圏にあり、連れて日本はじめ先進国の株価も直近の高値圏をほぼ維持しております。

しかし、一方で「北朝鮮問題」「安倍政権の支持率急落」等の内外政治イベントリスクの高まりも注視する必要があります。事によってはこの夏を境に相場の潮目が大きく変わるかもしれません。

かかる状況下、表題の格言を思い起こして見るのも冷静な判断にたどり着く近道かもしれません。つまり、漁師が魚を獲る時にまず海面上の変化に注意し潮の流れを見るように、株式投資も相場の大きな流れや方向性を見ることが肝心だと示唆しているのです。これからの投資判断の一助になれば幸いです。

イカスでは投資クラブの他、交流会、企業見学会、シネマ倶楽部、カラオケ倶楽部、ゴルフ倶楽部など、幅広いコミュニティーにも力を注いでおります。
皆様のご参加をお待ち申し上げております。

 

目 次

  1. 鎌田留吉レポート
    『個人消費の増大のために労働分配率を高めよ』
  2. 今月の推薦映画
    『ハクソー・リッジ』
  3. 株式投資力クイズ問題
  4. イカスからのお知らせ

1. 鎌田留吉レポート

『個人消費の増大のために労働分配率を高めよ』

千葉の県人 鎌田 留吉

イメージ
筆者近影

6月9日に閣議決定されたいわゆる「骨太方針2017」の中で2020年度中の財政健全化方針に関する記述が変わった。

つまり、「基礎的財政収支を20年度までに黒字化し」に、「同時に債務残高対国内総生産(GDP)比の安定的な引き下げを目指す」という文言が加わったのだ。このことの意義につき国債の更なる増発によるGDPの押し上げを目指すものだという批判が沸き起こっている。

しかし、GDPの増大を目指すのであれば、何も赤字国債や子育て国債の発行を捻り出して、僅かばかりのGDPの上昇を企むことに汲汲とするのは誤りであると思う。それよりはGDPの60%を占める「個人消費」の増大をこそ促すべきである。

個人消費が低迷してきたのは、デフレマインドが沁み込んだからというより(それは結果だ)給与所得が漸減してきたからに他ならない。1990年代の初頭にバブル崩壊して以降、銀行の貸しはがしを迫られた企業群は、借入金の返済に奔走し、設備投資どころか、賃下げを従業員に懇願した。

時あたかも、ITバブルが崩壊しグローバル化の進展の波にも巻き込まれ、2002年の「連合」のスローガンさえ、「すべての職場で雇用の維持・安全に全力をあげる」と賃上げを放擲し、「雇用」を最優先にしたのだ。その要請は本来一時的なものであった筈だ。しかし、経営者側は借金返済を終えても、人件費の引き上げに動くことはなく、また、さらに非正規雇用やパートを多用することにより、労働分配率を引き下げていった。そして生み出した過剰利益を内部留保に回しため込むという行動を取り始めた。今や法人の内部留保はこの3月末で390兆円の多きに達している。

昨年、野口悠紀夫氏のセミナーに出た際、景気刺激のために「300兆円もある内部留保から人件費に回せばよいのでは?」と質問した。彼は、内部留保の源泉たる当期利益は売り上げから製造原価(その中に工場の人件費も含まれる)を引き、さらに他の人件費たる販管費を引き自動的に計算される。しかも人件費は他との競争力から一義的に決定されると順序を重視して答えた。そんな順序はわかっている、しかし人件費は交渉事で決まる事項ではないか。低く抑えたおかげで大量の超過利潤を積み上げられたのだ。

労働需給が逼迫している今こそ「連合」は高らかに叫ぶべきだ「ベースアップを!」と。

2017.7.18 記

2. 今月の推薦映画

『ハクソー・リッジ』

ICAS専務理事 望月純夫

『ハクソー・リッジ』は、武器を持たずに人命救助に徹した実在のアメリカ兵、デズモンド・ドスの困難な戦いを描いた人間ドラマです。

ハクソーはのこぎり、リッジは崖の意味で、沖縄の激戦地の前田高地を指します。ヴァージニア州の田舎町で育ったデズモンド・ドスは、幼少期の苦い体験から「汝、殺すなかれば、衛生兵ならば自分も国に尽くせる」として、恋人ドロシーや父親の反対を押し切り陸軍に志願します。

1945年沖縄に上陸しますが、ハクソー・リッジと呼ばれる激戦地での過酷な戦いを経験することに。武器を持たない衛生兵のデズモンドは、地獄のような戦場で、包帯とモルヒネだけ手に断崖付近を駆け回り、たった一人で75名の命を救いました。

(クリック予告編)

彼がこの奇跡のような行動に至るまでのドラマが丁寧で説得力があります。
幼少期の両親の不仲、第一次世界大戦の戦場を体験した父親の心の傷、青年期の初々しい恋など、デズモンドの人柄を手際よく描いています。

新兵訓練キャンプでは、武器を持たないことを、静かに、でもきっぱり主張したため、上官や兵士たちの執拗な苛めに遭いますが、それでも信念は揺るぎません。ここまでの演出が的確でエモーショナルなため、いざ戦場に放り出された時には、誰もがデズモンドの目線で戦争の現実を見つめられるようになっています。

それにしても接近戦描写のなんと壮絶なことか。手足が吹き飛び、頭を打ちぬかれ、爆風と砂塵で息もできない臨場感。肉片と血しぶきが舞う地獄絵図は、監督メル・ギブソンの本領発揮といったところです。戦闘シーンが余りにも生々しく残虐だからこそデズモンドがこのような場でも「殺さずに、救いたい」との信念を貫いた強靭な強さが目立ちました。彼の勇気ある行動は、信仰心のためというのが本作のスタンスですが、仲間たちは、どんな困難に遭遇しても決して自らの信念を曲げないデズモンドの姿に、信仰以前の、人としての強さに感動します。

この部隊が沖縄・日本であり、今もアメリカも日本も先行きが見えない岐路に立っていることを思うと複雑な思いがします。デズモンドの立ち位置は、軍隊的にいえば良心的兵役拒否ですが、自らは良心的協力者と呼んでいたそうです。

圧倒的な暴力の中に、確かに存在した奇跡のような実話は、今までにないタイプの戦争映画と言えます。改めて沖縄の立場を考える良い機会ですね。

3.株式投資力クイズ問題

株式に興味のある方は是非以下の問題にチャレンジしてみてください(答えは最下段にあります)。

 

1:アジア開発銀行(ADB)の最大の出資国はどこか。正しいものを選んでください。黒田日銀総裁は前ADB総裁でした。
  1. フランス
  2. イギリス
  3. ドイツ
  4. 日本
2:アジアインフラ銀行(AIIB)の最大の出資国はどこか。正しいものを1つ選びなさい。
英国の参加表明で参加国が一気に増えました。
  1. EU
  2. インド
  3. アメリカ
  4. 中国
3:為替に関する問題です、下記の記述で誤りを1つ選びなさい。
昨年11月1日の円ドルは123円でしたね。
  1. 2013年4月調査では、1日の取引規模は580兆円である。
  2. 為替市場は最大の金融市場である。
  3. 東京の為替市場は、ロンドン、ニューヨークに次ぐ世界3位の市場である。
  4. 2016年1月のマイナス金利の導入で、円高の流れを止める効果が出来た。
4:為替と株価についての記述です。誤りはどれですか。下記の中から1つ選びなさい。
今年の夏は円高で海外旅行客が増えましたね。
  1. 電力・ガス、食品は円安にメリットがある。
  2. 自動車メーカー、電機メーカーは円安にメリットがある。
  3. 円高では、外国のモノが買いやすくなる。
  4. 円安では、日本のモノが売りやすくなる。

4. 6月以降の主要イベントのお知らせ

  • 7月25日(火)12:00〜株式宅配便、ラジオ日経
  • 7月28日(金)18:30〜カラオケ倶楽部西新橋 倶楽部エル
  • 8月 8日(火)16:00〜株式投資塾昼間編イカス事務所
  • 8月15日(火)18:30〜株式投資塾夜間編イカス事務所
  • 8月16日(水)15:00〜シネマ倶楽部有楽町&第一ホテル
  • 8月19日(土)14:00〜株式投資力検定対策セミナー イカス事務所
  • 8月22日(火)12:00〜株式宅配便、ラジオ日経
  • 8月25日(金)18:30〜カラオケ倶楽部西新橋 倶楽部エル
  • 9月16日(土)14:00〜株式投資力検定試験実施

*以上の他、各種イベントはイカス イベント情報をご覧ください。

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    「投資クラブ会員」‥‥ 年間運営費36,000円、一般会員サービスに合わせて投資クラブで専門情報を受けて実投資に参加できます。
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(株式投資力クイズの答え:1→4 2→4 3→4 4→4)