鎌田留吉レポート
『土地の価値・マンションの価値・部屋の価値』
千葉の県人 鎌田 留吉
旭化成建材の杭欠陥工事の問題が連日、新聞・TVで取り上げられている。たまたま、私は今、マンション管理組合の理事をやっており、「マンションの価値」につき考えていた。そして、「マンションの価値」について考えるとき「土地の価値」と「マンションの価値」と「部屋の価値」とを分けて考えると、考えが整理できることに気づいた。
- 土地の価値
- 便利さ、快適さ
駅、学校、病院、スーパー、公園etcが近くにあるか。
- 海抜
3.11以降、海岸側よりも、内陸或いは山の手が見直されつつある。
- 地盤の強度;杭が届かないのでは論外である。
- マンションの価値
- 頑丈さ;SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造、RC(鉄筋コンクリート)構造。
- 整然⇔雑然・乱雑(不法駐車・無断駐輪)=住民のモラリティの表れ
- 手入れ(掃除、頻繁な花の植栽)
- ペットの可否;犬から猫への動きがあると聞く。
- セキュリティー
- 大規模修繕;光触媒による外壁の美観の維持
- 部屋の価値
- 階数
- 日当たり
- リフォーム
1980年代後半、野村證券が「ウォーターフロント」と謳い上げて作り上げた不動産に重点を置いた株式のバブルは、疾うの昔に終焉を迎えた。今は我らロートルでさえ酒場でたまに思い出すだけである。しかし、不動産市場では「湾岸の高層マンション」開発として、「今尚」続いているように見える。少子高齢化がとことん進み、空き家と空室問題が雑誌や新書で指摘され内陸部に再開発や建替えの空間が出来、更に2011年3月11日で、土地の液状化と津波の恐ろしさを経験した「今尚」である。
人々が抱く「価値」も移ろう。マンションを買おうとするとき、自分はこれらの価値のなかで何に優先順位を置こうとしているのか?そしてまた、社会のトレンドはどの価値を重視しようとしているのか?をしっかりと思料する時機に来ていると思われる。
2015.11.16記