ブラック企業大賞を受賞した「セブンイレブン」

千葉の県人 鎌田 留吉

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ことは聊か旧聞に属するが、7iホールデイングの稼ぎ頭である、(株)セブンイレブンジャパンが、昨年11月末「ブラック企業大賞」というブラック企業を指弾する賞の大賞を受賞しました。

ノミネート理由は「コンビニでアルバイトしている学生達が、学生生活に支障を来たすほど、低待遇を強いられているのは、コンビニ本部が加盟店主らから過酷な搾取を行いその皺寄せが学生アルバイトに及んだ結果である」というものである。

年が明けて間がない1月8日には、イトーヨーカドー社長戸井和久氏が業績悪化の責任をとり辞任し、前社長の亀井淳氏が復帰するという衝撃的なニュースが流れた。7iホールデイングにとって何れも極めてマイナスなニュースが続いたのである。

以前にも書いたが、私は「スーパーマン」と呼ばれていて、休日にはスーパーを梯子する。自宅からママチャリで直行すると、イオンは約5分、イトーヨ-カドーは11分、食品スーパー・ヤマイチには15分、ララポートにあるロピアという食品スーパーは25分くらいであろうか。そして言えることはとにかくイトーヨーカドーは果物の品揃えが少なく、そして極めて高い。良く買う苺で比べると最も安いロピアの優に倍はするのだ。生鮮食品というのは少し薄利でも回転がよいと客が客を呼ぶという現象が起きる。実際休日ともなるとロピアはものすごい人だ。苺が山のように積まれ飛ぶように売れていく。私は必ず4パック(1パック税抜き299円!)買う。

私は現会長の鈴木敏文氏を天才的経営者だと思っている。しかし、天才と言えども成功体験で失敗を招くことは多々ある。鈴木氏は顧客にとって便利であれば、定価販売でも十分に売れるのだというビジネス・モデルで大成功を収めた。次々にアイデアを連発し、コンビニを無くてはならないものにした。これだけのビジネスを生み出したセブンイレブンジャパン本部は、当然高収益を得る権利があると思っているのだろう。そして、時間的余裕があり、明らかに安い場合は、遠出も厭わないという顧客ニーズを忘れ去ってしまったように思える。

ロピアにいくと私は、今でも人々の間にはデフレマインドが沁み付いているに違いないと思う。更に言えば大きなビルを構え、衣食住に関わる全てのニーズを満たそうとする所謂GMS(総合スーパー)は、もう歴史的役割を終えたのかも知れないと考える。コンビニとスーパーでは明らかに対象客が違う。一人の人間で全く性格の異なる業態を経営するには精神分裂を要する。それは証券と銀行の経営を同じ人間が行えないようなものである。

2016.3.14 記