絶対にお金を損しないこと

千葉の県人 鎌田 留吉

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筆者近影

オマハの賢人ウオーレンバフェットの言葉を集めた本の、最初に出てくるのが、次の文章である。

『金持ちになるには2つのルールを守りなさい。
ルールその1、絶対にお金を損しないこと。
ルールその2、絶対にルールその一を忘れないこと』

確かに、少しずつ増やしたお金が一度の損で元の木阿弥になってしまうことはよくあることである。このルールを実践するためにバフェットは「バリュー投資」という投資手法をとる。その企業を徹底的に研究し、その会社の「価値」を見極め、何らかの理由でその会社がたたき売られ「価値」を大きく下回ったときの「価格」で買う。従って、上がっているものを追って買う「順張り」ではなく、「逆張り」をすることになる。現在猖獗を極めている、デイトレードやHFTとは無縁の世界である。

損をする蓋然性の少ないように、少ないようにと考えて投資するのである。
この考えは何もウオーレンバフェットの専売特許ではない。今よりも700年ほど前に吉田兼好がこう書き残している。
「双六の上手といひし人に、その手立てを問ひはべりしかば、『勝たむとうつべからず。負けじとうつべきなり。いずれの手か疾く負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目なりとも遅く負くべき手につくべし。』といふ。道を知れる教へ、身を修め、国を保たむ道もまたしかなり。」

イカスの会員の方々は、日々の勉強会と投資の実践を通じて、こうした「知恵」を習得しておられるものと期待している。
去る6月4日、半年に一度のイカス交流会が、青山1丁目の「あおしま」でにぎやかに執り行われた。先ず初代理事長を長く勤められた竹内宏さんの冥福をお祈りする黙祷を捧げた。その後、日経ラジオ社の和島英樹氏が、経営者から直接取材した情報ならではの極めて示唆に富む銘柄紹介があった。

その後は、今や恒例となった音楽会である。先ず濱田麗さん(銀座7丁目のBarbraをはじめ各所でLive 活動中)の声量溢れるJAZZ に続いて、山口れいさん(新宿3丁目のシャンソニエ QUI に毎月第1金曜日出演)の澄んだ歌声のシャンソンで盛り上がった。更に会員の根橋さんがアコーデオンのパーツを担うユイバンドが、タンゴを聞かせてくれた。特筆すべきは今回はそれに歌謡曲が加わったことである。林理事長自らマイクを取り、麗しい女性とのデユエットでコモエスタ赤坂ならぬ青山を情緒たっぷり聞かせてくれた。歌自体は素晴らしかったのだが……歌詞の一部にイカスに相応しくない文句があったのが残念だ。どんな文句かって?「出る コ〜ラ 損!(笑)」

2016.6.13. 記